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(特定資産の譲渡等に係る納税義務)

5‐8‐1 特定資産の譲渡等については、当該特定資産の譲渡等を行う国外事業者が課税事業者であるかどうかにかかわらず、当該特定資産の譲渡等を受けた事業者が、当該特定資産の譲渡等に係る特定課税仕入れについて納税義務者となることに留意する。

(注) 所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第42条《特定課税仕入れに関する経過措置》及び第44条第2項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置》により、当分の間、課税売上割合が100分の95以上の課税期間(簡易課税制度が適用されない課税期間に限る。)及び簡易課税制度が適用される課税期間については、その課税期間に行った特定課税仕入れはなかったものとして消費税法の規定が適用されるのであるから留意する。

(特定資産の譲渡等の表示義務)

5‐8‐2 特定資産の譲渡等(国内において他の者が行う特定課税仕入れに該当するものに限る。以下5‐8‐2において同じ。)を行う国外事業者は、当該国外事業者が課税事業者であるかどうかにかかわらず、当該特定資産の譲渡等に係る特定課税仕入れを行う事業者が法第5条第1項《納税義務者》の規定により消費税を納める義務がある旨を表示しなければならないことに留意する。

(注) 当該表示義務の履行の有無は、当該特定資産の譲渡等を受ける事業者の納税義務には影響しない。

 

(電気通信利用役務の提供)

5‐8‐3 電気通信利用役務の提供とは、電気通信回線を介して行われる著作物の提供その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供であって、他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供以外のものをいうのであるから、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

(1) インターネットを介した電子書籍の配信

(2) インターネットを介して音楽・映像を視聴させる役務の提供

(3) インターネットを介してソフトウエアを利用させる役務の提供

(4) インターネットのウエブサイト上に他の事業者等の商品販売の場所を提供する役務の提供

(5) インターネットのウエブサイト上に広告を掲載する役務の提供

(6) 電話、電子メールによる継続的なコンサルティング

(注) 電気通信利用役務の提供に該当しない他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供には、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

1 国外に所在する資産の管理・運用等について依頼を受けた事業者が、その管理等の状況をインターネットや電子メール(以下5‐8‐3において「インターネット等」という。)を利用して依頼者に報告するもの

2 ソフトウエア開発の依頼を受けた事業者が、国外においてソフトウエアの開発を行い、完成したソフトウエアについてインターネット等を利用して依頼者に送信するもの

(事業者向け電気通信利用役務の提供)

5‐8‐4 事業者向け電気通信利用役務の提供とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供で、その役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいうのであるから、例えば、次に掲げるようなものが該当する。

(1) インターネットのウエブサイト上への広告の掲載のようにその役務の性質から通常事業者向けであることが客観的に明らかなもの

(2) 役務の提供を受ける事業者に応じて、各事業者との間で個別に取引内容を取り決めて締結した契約に基づき行われる電気通信利用役務の提供で、契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなもの

(注) 消費者に対しても広く提供されるような、インターネットを介して行う電子書籍・音楽の配信又は各種ソフトウエアやゲームを利用させるなどの役務の提供は、インターネットのウエブサイト上に掲載した規約等で事業者のみを対象とするものであることを明示していたとしても、消費者からの申込みが行われ、その申込みを事実上制限できないものについては、その取引条件等からは事業者向け電気通信利用役務の提供に該当しないのであるから留意する。

(職業運動家の範囲)

5‐8‐5 令第2条の2《特定役務の提供の範囲》に規定する「職業運動家」には、運動家のうち、いわゆるアマチュア、ノンプロ等と称される者であっても、競技等の役務の提供を行うことにより報酬・賞金を受ける場合には、これに含まれることに留意する。

(注) 運動家には、陸上競技などの選手に限られず、騎手、レーサーのほか、大会などで競技する囲碁、チェス等の競技者等が含まれることに留意する。

(特定役務の提供から除かれるもの)

5‐8‐6 特定役務の提供は、国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供であっても不特定かつ多数の者に対して行うものは除かれるのであるから、例えば、国外事業者である音楽家自身が国内で演奏会等を主催し、不特定かつ多数の者に役務の提供を行う場合において、それらの者の中に事業者が含まれていたとしても、当該役務の提供は特定役務の提供には該当しないことに留意する。

(特定役務の提供を行う者の仲介等)

5‐8‐7 特定役務の提供は、令第2条の2《特定役務の提供の範囲》に規定する役務の提供が該当するのであるから、例えば、次に掲げるものは特定役務の提供には該当しないことに留意する。

(1) 特定役務の提供を受ける者が、特定役務の提供を行う者との契約の締結等のために、特定役務の提供を行う者以外の者に依頼する仲介等

(2) 特定役務の提供を受ける者が、特定役務の提供を行う者の所属していた法人その他の者に支払う移籍料等と称するものを対価とする取引で、権利の譲渡又は貸付けに該当するもの

 

(特定課税仕入れに係る支払対価の額)

10‐2‐1 法第28条第2項本文《特定課税仕入れに係る消費税の課税標準》に規定する「特定課税仕入れに係る支払対価の額」とは、特定課税仕入れに係る支払対価につき、対価として支払い、又は支払うべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額をいい、この場合の「支払うべき」とは、その特定課税仕入れを行った場合の当該特定課税仕入れの価額をいうのではなく、その特定課税仕入れに係る当事者間で授受することとした対価の額をいうのであるから留意する。
 また、法第28条第2項括弧書に規定する「金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益」は、10‐1‐3と同様に、実質的に特定課税仕入れに係る支払対価と同様の経済的効果をもたらすものをいう。
 なお、特定課税仕入れが他の者から受けた特定役務の提供に係るものである場合に、事業者が支払う金額が、源泉所得税に相当する金額を控除した残額である場合であっても、特定課税仕入れに係る支払対価の額は、源泉徴収前の金額となるのであるから留意する。

(外貨建取引に係る支払対価の額)

10‐2‐2 外貨建ての取引に係る特定課税仕入れに係る支払対価の額の取扱いについては、10‐1‐7に準ずるものとする。

(国外事業者のために負担する旅費等)

10‐2‐3 特定役務の提供を受ける事業者が、当該役務の提供を行う者の当該役務の提供を行うために要する往復の旅費、国内滞在費等の費用を負担する場合のその費用は、特定課税仕入れに係る支払対価の額に含まれることに留意する。
 ただし、当該費用について、当該役務の提供を行う者に対して交付せずに、当該役務の提供を受ける事業者から航空会社、ホテル、旅館等に直接支払われている場合において、当該費用を除いた金額を特定課税仕入れに係る支払対価の額としているときは、その処理を認める。

(芸能人の役務の提供の対価に含まれないもの)

10‐2‐4 事業者が特定役務の提供を受けた場合における法第28条第2項《特定課税仕入れに係る消費税額の課税標準》に規定する特定課税仕入れに係る支払対価の額には、例えば、芸能人の実演の録音、録画、放送又は有線放送につき著作隣接権の対価として支払われるもので、契約その他において明確に区分されているものは含まれないことに留意する。

(注) 著作隣接権の対価は資産の譲渡又は貸付けの対価に該当する。

(免税事業者であった課税期間において行った特定課税仕入れに係る対価の返還等)

14‐1‐12 免税事業者であった課税期間において行った特定課税仕入れにつき課税事業者となった課税期間において法第38条の2第1項《特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除》に規定する特定課税仕入れに係る対価の返還等(以下14‐1‐14までにおいて「特定課税仕入れに係る対価の返還等」という。)を受けた場合には、当該対価の返還等の金額について同項の規定の適用はないことに留意する。

(注) 課税売上割合が100分の95以上である課税期間(簡易課税制度の適用がない課税期間に限る。)及び簡易課税制度が適用される課税期間については、所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第42条《特定課税仕入れに関する経過措置》及び第44条第2項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置》の規定により、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされるので、これらの課税期間において行った特定課税仕入れに係る支払対価について、その後の課税期間に対価の返還等を受けた場合についても同様である。

(免税事業者等となった後の特定課税仕入れに係る対価の返還等)

14‐1‐13 課税事業者が事業を廃止し、又は免税事業者となった後において、課税事業者であった課税期間における特定課税仕入れにつき特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、その返還等の金額については、法第38条の2第1項《特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の消費税額の控除》の規定は適用されないのであるから留意する。

(特定課税仕入れに係る対価の返還等の処理)

14‐1‐14 特定課税仕入れに係る対価の返還等の処理について、12‐1‐12により処理する場合には、特定課税仕入れに係る課税仕入れと特定課税仕入れ以外の課税仕入れとに区分して行う必要があることに留意する。